すぐに使える!!論文の方法に記載してある研究の種類を簡単に解説

統計
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抄読会の論文探しはabstractで選び

本文はresultとdiscussionをメインで読んでいませんか?

そして次のような悩みをかかえていませんか?

方法は対象人数と患者背景しか興味がない(わからない)
コホート研究?研究デザインと統計はスルーしても抄読会はなんとかなるし・・・

私も同じように結果とdiscussionがメインが大事で

研究デザインと統計は無視していました

(統計に関しては有意差の有無しか興味なし)

統計=P値と考えている人は先にこちらの記事を参照ください

なぜP<0.05なら有意差ありなのか
統計を少しでもかじったことがある人であればP値って聞いたことありますよね?では小学生にP値に関して教えることは出来ますか?この記事ではP値とは何なのか、なぜP<0.05なら有意差があるといえるかについてわかりやすく説明しています。基本的すぎて人には聞きづらいと思いますので、興味があればご参照ください。
今回の記事の対象
✔︎研究デザインの意味を他人に説明できない人
✔︎論文が嫌いな人
研究デザインを理解することのメリット
✔︎研究デザインを見るだけで論文を把握する速度があがる
✔︎研究デザインによって適切な統計手法が異なるため適切な統計手法を選択できるようになる
この記事を読んで出来るようになること
✔︎基本的な研究デザインのイメージを掴む




すぐに使える!論文の方法に記載してある研究の種類を簡単に解説

観察研究と介入研究

医学における研究は大きく

観察研究介入研究に分けられます

観察研究
対象者に介入を行わずにデータを収集し解釈を行う
例えば40代の癌の罹患率を調べる場合
40代の人数と
そのうち癌に罹患している人数を調べることで
40代の癌の罹患率はわかりますね
介入研究
対象者に介入(投薬など)を行い、その影響についてデータを収集し解釈を行う
例えば降圧剤AとBの効果を確かめたい場合
高血圧の100人に対して
降圧剤AとBを使用してそのデータを分析することで結果がでますね
降圧剤の内服という介入を行っていますね

 

前向き研究と後ろ向き研究

こちらは文字通りなのでイメージしやすいと思います

英語でそのまま言われることが多いので

英語も覚えておきましょう

 

前向き研究(prospective study)
現在から未来に向かってデータを収集する研究
例えば
あなたの外来で今日から
降圧薬AとBを使い始め
半年後に効果の差をみる場合は
前向き研究になります
後ろ向き研究(retrospective study)
過去のデータを収集する研究
例えば
あなたが上級医から
「過去10年間の当院の入院患者数を調べろ」
と命じられたのなら
それは後ろ向き研究です

横断研究と縦断研究

観察研究では調査する回数で

横断研究縦断研究に分けられます

 

横断研究
ある時点でのデータを収集し解析を行う(調査は1回だけ)

例えば

街頭アンケート調査などがこれにあたります

「あなたの好きなアーティストは誰ですか?」

昨日(過去)や明日(未来)のことは

一切調べず一時点で行うことが特徴です

 

縦断研究
複数回にわたり調査を行う研究

例えば

管総理の支持率の推移に関して

現在、1ヶ月後、半年後と調査する研究です

ケース・コントロール研究とコホート研究

ある病気の原因や要因を追究する際に

ケース・コントロール研究コホート研究に分けられます

 

ケース・コントロール研究・コホート研究
ある病気の原因や要因を推定し、因果関係を見つけ出したいときの研究
例えば
コロナの重症化は喫煙と関係していると推定したとします
まず重症化した人の喫煙率を調べます
喫煙率が高い場合
因果関係ありと言っていいでしょうか?
重症化していないコロナの症例でも喫煙率が高ければ
あれ?違うかなとなりますよね
ケース・コントロール研究とは
ケース(症例):コロナで重症化した症例
コントロール(対照例):コロナで重症化していない症例
を比較する研究になります
このようにケース・コントロール研究は
現在から過去にさかのぼって調べるため
後ろ向き研究になります
コホート研究
ケース・コントロール研究と同様の目的ですが
方法が異なります
先程は後ろ向き研究でしたが
こちらは前向き研究になります
例えば
タバコを吸う人が肺癌になりやすいか調べてみましょう
喫煙をしている人
喫煙をしていない人の今後を調査します
それぞれのグループで肺癌になった人の割合を比較します
*原則と書きましたが
一部のコホートは後ろ向きコホート研究もあります
一般的にコホート研究と書いてあれば前向きの研究です

対象者比較と対象者内比較(クロスオーバー比較)

それでは最後に比較の方法の違いに関して見てみましょう
対象者間比較
グループAに薬AをグループBに薬Bを強して比較検討する研究
対象者内比較(クロスオーバー比較)
1つのグループに薬Aを投与し、効果が切れてから薬Bも投与し比較検討する研究
5分前の自分より
1つでも賢くなれましたか?

まとめ

✔︎観察研究:対象者に介入を行わずにデータを収集
✔︎介入研究:対象者に介入(投薬など)を行い、その影響についてデータを収集
✔︎前向き研究:現在から未来に向かってデータを収集
✔︎後ろ向き研究:
過去のデータを収集
✔︎ケース・コントロール研究・コホート研究:病気の原因を推定し、因果関係を見つける
✔︎ケース・コントロール研究:病気がある人・ない人について推測した原因の有無を過去に遡って調査
✔︎コホート研究:推測した原因がある人・ない人について今後病気になるかどうかを未来に向かって調査
✔︎対象者間比較:2つの異なるグループに2つの異なる薬剤を使用し比較
✔︎対象者内比較:1つグループに2つの異なる薬剤を間隔をあけて投与し比較
参考文献

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