P値(ピーチ?)
明日の抄読会当たってるんだけどまだ論文すら見つけてなくて・・・
とりあえずp<0.05で有意差が出ましたよって感じの論文やれば?
統計=p値、論文=p値になっていませんか?
そもそもp値ってわかりますか?
前回は統計がなぜ必要なのかを説明しました
今日はその中でも一番有名であろうP値に関して勉強していきましょう
2時間目 なぜP<0.05なら有意差ありなのか
みなさんP値って知ってますか?
馬鹿にしているわけではありません
街頭アンケートを取ったとしたらほとんどの回答は
「p<0.05なので有意差あり」
でしょう
「なぜ0.05未満であれば有意なのですか?」
と追加で質問すると
「・・・」
間違いありません
きっとこの記事を読んでいるあなたも答えがわからないはずです
答えは「慣習だから」です
「・・・」
読んで損したとページを閉じる前にもう少しお付き合いください
そもそもPってなんの略語か知っていますか?
Probability(確率)の頭文字です
では何の確率なのでしょうか?
前回の続きで考えると我々が知りたいのは薬が本当に効くかどうかです
100人に試して1人にしか効かない薬は使いたくないですよね
それでは2グループである痩せ薬の効果があるかどうか実験を行ないましょう
まず考えて欲しいことは2グループ(AグループとBグループ)の条件を全部揃えることは不可能です
なぜなら、全員の食生活、行動様式などを揃えることが不可能だからです
つまりA、Bグループが両方とも痩せ薬を飲んだとして
Aグループでは75%が痩せ、Bグループでは25%が痩せるという結果になるかもしれません
ここで問題です
Aグループが痩せ薬を飲み、Bグループが飲まなかったとします
Aグループでは75%が痩せ、Bグループでは25%が痩せました
果たして痩せ薬は効果があるのでしょうか、偶然結果に差が出たのでしょうか
さて偶然の確率はどのようにして求めればよいのでしょうか
ここで痩せた結果の差は痩せ薬の効果ではなく、グループ間の条件の違い(偶然)で生じたものと仮定します、これを帰無仮説といいます(覚えなくて良いです)
この仮説がなりたつ確率がおまたせしましたP値です
つまりグループ間の条件の違いのみが結果に影響を及ぼした確率です
もしこの研究のP値が0.8であるなら、80%の確率でその結果は痩せ薬によるものではなく
条件の違いによるもの=偶然起こったものだということです
そして題名にあるなぜp<0.05なら有意差ありと考えるかという問いに戻りますが
p<0.05つまり偶然に起こる確率が5%未満なら有意に差があるでいいよね?
って感じで暗黙の了解として成り立っているのです
5%という数字にピンとこない人は日本シリーズを例に考えてみましょう
日本シリーズで考えると先に4勝したほうが優勝というルールですが
2勝したほうが優勝にすると偶然2連勝する確率は
50%×50%=25%
3勝したほうが優勝とすると偶然3連勝する確率は
50%×50%×50%=12.5%
4勝したほうが優勝とすると偶然4連勝する確率は
50%×50%×50%×50%=6.25%です
周りで「4勝なら偶然かもしれないから5回勝った方を優勝にしろ」とか聞いたことありますか?
知らず知らずのうちに5%程度であれば偶然じゃないよねと納得しているのです
もちろん5%未満ではなく1%未満でないと有意とは言えないという意見も間違えではありません
論文にはP値(有意水準)がいくつ未満を有意差ありと判断したということが書かれています
多くはp<0.05ですが、p<0.01としている論文もあります
なお前回の記事の最後に書いたcas1-3は計算するとP<0.05となり、case4の場合はP=0.06という結果になります
どうです?そこの統計をよく知らない上級医のみなさん、研修医に質問されても説明できますよね?
次はP値の落とし穴について勉強していきましょう
P<0.05は慣習的に決まっており絶対的なものではない
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