予防接種をするとなんで免疫がつくんですか?
免疫を活性化するからです!!
なんで免疫が活性化されるんですか?
・・・
予防接種の仕組みを理解して予防接種を行なっている医師はどの程度いるのでしょうか?
「この住宅は地震に強いんですよ」
「なんで強いんですか?」
「えぇーっと建築業者の方が言っていたので・・・」
私ならこの営業さんから家を買いません
「この薬はよく効きますよ!!」
「なんで効くんですか?」
「よくわからないけど、みんな良くなるんです」
私ならその薬は飲みません
予防接種を行うこと自体は誰でも簡単にできますが
どのような仕組みで効果を発現しているのか説明できますか?
今コロナのワクチンを全世界で頑張って開発していますが
理屈がわかっていないと開発することもできません
免疫的に非常に面白い反応なので一緒に勉強していきましょう
予防接種を打つと赤く腫れることがありますよね?
「副作用で軽く腫れることがあるので心配ありません」
確かにあっていますが、実は赤く腫れることも免疫的に重要なんです
予防接種の仕組み
第一部 T細胞編
抗原(非蛋白)だけ接種した場合
実は抗原だけを接種しても免疫はつきません
実際に抗原だけ接種した場合を見ていきましょう
樹状細胞がインフルエンザ抗原を見つけました
樹状細胞は細胞外のTLRなどのパターン認識受容体で敵かどうかを判断するんでしたね?
初めて聞いた方、記事読んだけどもう忘れたよって方はこちらをご覧ください
みなさん戻ってきましたか?
それでは続きを
インフルエンザ抗原は敵じゃないと樹状細胞が判断しました
終了・・・
そうなんです、まず樹状細胞に敵と認識され貪食してもらう必要があるんです
抗原+アジュバンドの場合
551があるとき〜アジュバンドがあるとき〜
樹状細胞がアジュバントのついたインフルエンザ抗原を見つけました
アジュバンドの部分に細胞外受容体が結合し敵と認識しましたね
樹状細胞が活性化しついにインフルエンザ抗原を貪食しました
よく見るとインフルエンザ抗原(非蛋白)と書いてありますね
タンパクではない=分解されてペプチドにならない
つまり、MHCクラスⅡに乗せれませんね
この辺の話はこちらで解説しています
それでは続きです
樹状細胞は何も抗原提示できないので
終了・・・
抗原+アジュバンド+タンパクの時
アジュバンド+タンパクがある時〜
樹状細胞がアジュバンドとタンパクがくっついたインフルエンザ抗原を見つけました
アジュバンドと細胞外受容体くっつき敵と認識しました
自然免疫の始まりです
接種部位が赤く腫れるれるのは自然免疫の反応だったんです
個人差があるので腫れない=免疫がつかないということではありません
活性化した樹状細胞が貪食し分解しました
ハートはタンパク質なので分解されることでペプチド抗原ができます
MHCクラスⅡにペプチド抗原を乗せてリンパ節に移動します
リンパ節内ではナイーブヘルパーT細部が待っています
樹状細胞の存在に気がついたようです
ナイーブヘルパーT細胞の受容体とMHCクラスⅡ+ペプチドがピッタリ結合できました
樹状細胞はナイーブヘルパーT細胞に敵の情報を伝えています
樹状細胞から抗原提示を受けたナイーブヘルパーT細胞は活性化し
エフェクターT細胞に変わりました
そしてエフェクターT細胞は嫁(B細胞)を探しに出かけましたとさ
第一部完
さて第二部はB細胞の視点から見ていきましょう
第二部 B細胞編
抗原(非蛋白)だけ接種した場合
B細胞の受容体(抗体)はT細胞受容体と異なり
ペプチド以外にも様々な分子と結合できましたね?
インフルエンザ抗原を貪食し分解したもののペプチド抗原ではないのでMHXクラスⅡに乗せれません
終了
抗原+タンパクの場合
先程と同様ハート型のタンパク質がくっついています
貪食し分解することでペプチド抗原ができます
するとMHCクラスⅡに乗せることができ刺激してくれる相方を待つことができます
第二部完
それでは再びリンパ節に戻りT細胞とB細胞を見てみましょう
第三部 ヘルパーT細胞とB細胞の出会い
どうやらエフェクターヘルパーT細胞が嫁を見つけてプロポーズ(刺激)していますね
インフルエンザ分子に結合できるB細胞受容体(抗体)のおかげで告白(刺激)されたので
舞い上がった(活性化した)B細胞はどんどん抗体を産生しましたとさ
めでたしめでたし
終了
どうですか?
予防接種の仕組みが理解できましたか?
最後に少しだけ補足事項を説明して終わります
特別編 エピドープ
インフルエンザ抗原の中でB細胞が抗原と認識した部位と
T細胞が抗原と認識した部位が違っていたことに気がつきましたか?
このように分子の中で抗原と認識される部位を「エピトープ」といいます
エピトープは1つの分子に複数あることを余裕があるヒトは覚えておいてください
それではまた次回
コメント