朝のカンファレンスで免疫不全の検査が必要か答えられませんでした
どういった場合に疑い、なにを検査するか勉強していきましょう
免疫不全を疑ったらみなさんは何をしますか?
とりあえずググる採血とみなさん答えると思いますが
いきなり保険適応外の検査をしたら上級医に怒られます
検査に関しては4つのSTEPを踏んで行いましょう
ただ検査の前に重要なことがあります
まずは問診で検査をすべきかどうかを見極めましょう
次に挙げる10の兆候を問診でまず確認しましょう
【免疫不全とは】免疫不全を疑う10の兆候
当院では1年に1例ぐらい新患を経験します
ここ最近であれば07の中耳炎を繰り返すIgGサブクラス欠損の患者さんがいました
免疫グロブリンの定期補充で中耳炎の反復はピタッとなくなりました
免疫不全は早期に発見し適切な治療を(移植ができる疾患であれば移植)行うことで
残りの人生が全く変わります
まずはこの問診事項だけでも覚えて帰ってください
STEP1(一般病院レベル)
血算:白血球分画(好中球、リンパ球数)
免疫グロブリン(IgG/A/M/E)
補体(C3/C4/CH50)
STEP2(総合病院レベル)
IgGサブクラス(特にIgG2)
特異抗体測定(HBs抗体、百日咳抗体、麻疹IgG、風疹IgG、水痘IgGなど)
リンパ球サブセット(CD3,4,8,19,56)
※CD3:Tcell,CD4:helper Tcell,CD8:killer Tcell,CD19:B cell,CD56:NK cell
STEP3大学病院、専門病院レベル
T細胞:リンパ球幼若化試験(PHA,ConA)
B細胞:肺炎球菌ワクチンに対する抗体産生
NK細胞:NK活性
好中球:殺菌能検査(DHR123法)
※DHR123法がGold Standard(PIDJで相談させていただいた際に教えていただきました)
STEP4研究検査、PIDJレベル
TREC、KREC
詳細なリンパ球サブセット解析
原因遺伝子蛋白発現のFACS解析
好中球解析
遺伝子解析
以上が免疫不全を疑った際にとる行動(問診)と検査になります
検査して免疫不全が疑われる時
検査を行っても異常は認めず、ただ臨床的に免疫異常が疑われる場合はJSAIDに相談しましょう
次回は原因菌、症状、年齢からのアプローチ法を勉強していきましょう
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