感度、特異度の臨床応用

検査
スポンサーリンク




研修医
研修医

RS陰性、アデノ陰性、インフルエンザ陰性、hMPV陽性っと

迅速ウイルス検査キットが多くて、感染症なんて楽勝です!!

上級医
上級医

その結果は本当に信じてよいものですか?

研修医
研修医

えっ検査キットに間違えってあるんですか?

上級医
上級医

検査前確率は?その検査の感度・特異度は?

 

研修医
研修医

Google先生に聞いてみよう・・・

 

今日は感度、特異度、臨床的に必要な陽性的中率、陰性的中率に関して考えていきましょう




感度、特異度

感度(Sensitivity)

病気に罹患している人の中での陽性率

特異度(Specificity)

病気に罹患していない人の中での陰性率

それでは、下記の検査の感度、特異度を実際に計算してみましょう

 

感度は 80÷100=0.8

特異度は  810÷900=0.9

となります

 

研修医
研修医

要は感度、特異度の高い検査をすればいいわけですね

上級医
上級医

感度の高い検査、特異度の高い検査で何がわかるかが大事です

感度の高い検査=除外診断に有用

特異度の高い検査=確定診断に有用

ということです

 

ただ、現場で使うには重要なことがあります

 

感度、特異度の計算には前提条件があります

それはその疾患である、またはその疾患でないことがわかっていることなんです

疾患の有無がわかっているなら現場では検査をする必要がありませんよね

そこで現場で使用する場合に大事な要素があります

検査前確率(有病率)です

実はみなさん直感的に臨床の現場では検査前確率を考えて検査している(はずです)

 

上級医
上級医

夏場にインフルエンザの迅速検査をやりますか?

 

 

上級医
上級医

咽頭の所見がなく、嘔吐・下痢症状の人に溶連菌検査をしますか?

結論から言うと検査前確率(有病率)が高いほど、有用な検査となります

陽性的中率と陰性的中率

陽性的中率=検査陽性の人が本当に陽性の確率

陰性的中率=検査陰性の人が本当に陰性の確率

上記2つに検査前確率(有病率)が大きく関わってきます

試しにインフルエンザキットA(感度0.8 特異度0.9)を用いて実践してみましょう

夏場のインフル有病率を1%

冬場のインフル有病率80%としましょう

インフルエンザの検査を行い陽性となった場合、陽性的中率は・・・

なんと7.5%(8÷107×100)

子供を泣かせるだけの全く無駄な検査ですね

 

研修医
研修医

夏なのに昨日救急でインフルエンザ見つけたよ・・・私すごくない??

(発熱患者全員にキットの棒をつっこんだ甲斐があった)

上級医
上級医

・・・

陽性的中率は80%                         陰性的中率は90%

上級医
上級医

とりあえず検査、ルーチン検査はやめましょう

上級医
上級医

検査結果を予想して検査を考えることが大事です

とりあえず検査はやめて検査前確率をしっかり考えてから検査をしましょう

コメント

タイトルとURLをコピーしました